2007年02月26日

●クライバーの最新録音を探る(EJ第1473号)

 何人かのEJの読者からカルロス・クライバーの演奏を聴いて
みたいが何がお勧めかという質問をいただいております。今回を
含めてあと2回でこれにお答えしていきたいと思います。
 クライバーの最新録音を探っていくと、1994年3月に遡る
必要があります。1994年といえば、その年の10月にクライ
バーの日本公演が行われています。昨日のEJでお話しした逸話
は、その公演の打ち合わせのために1992年にクライバーがお
忍びで来日したときの話だったのです。
 1964年10月のカルロス・クライバー/ウィーン国立歌劇
場/東京公演は大変な盛り上がりとなったのです。切符はS席で
6万5000円――しかし、あっという間に全席売り切れ、空前
のチケット入手難となったのです。
 そのとき、公演1ヶ月前に発売になったのが、1994年3月
に録画されたのは楽劇『ばらの騎士』の映像です。これは、LD
(レーザー・ディスク)です。データを示しておきます。
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 R.シュトラウス
 楽劇『ばらの騎士』(全曲)
 グラモフォン(ウニテル)[D]POLG1160−61
 オットー・シェンク演出
 カルロス・クライバー指揮/ウィーン国立歌劇場O
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 これは、東京公演とほぼ同一のキャストによるLDであり、大
変貴重なディスクであるといえます。しかも、これがクライバー
の最新録音になるのです。
 この作品について音楽評論家の小林利之氏は、ロット(元帥夫
人)、オッター(オクタヴィアン)、ボニー(ゾフィー)の女性
3人の歌と演技とアンサンブルを絶賛したあと、クライバーの指
揮について次のように述べています。
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  だが、それらソリストや合唱をまじえた歌手以上に素晴らし
 いオーケストラの演奏ぶりは、クライバーの、昔とは一変した
 抑制度の高い精緻な表現をウィーン・フィルならではのまろや
 かで優美な響きで成就させている。(一部略)
  要所要所で表情を引き締め、歌わせる多彩な棒の魅惑で全曲
 を覆いつくすクライバー節こそ、この画期的な上演の最大の聴
 きどころといえよう。現代最高の≪ばらの騎士≫の映像作品で
 ある。                   ――小林利之
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 さて、最新録音は1994年3月ですが、その前の録音として
次の2作品があります。
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  ニューイヤー・コンサート/1989&1992
  カルロス・クライバー指揮
  ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  SRCR 1483−4/ソニー・クラシカル
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 おそらくこのCDは、EJを読んではじめてクライバーを聴い
てみたいという人に一番ぴったりだと思います。最近では2枚組
になっており、どこのCDショップでも入手可能です。
 聴いていただくと分かることですが、カルロス・クライバーは
「本物のウィンナ・ワルツが振れる指揮者」なのです。こればか
りは、アバドでもアーノンクールでも小沢征爾でも決してかなわ
ない――いや、あのカラヤンでさえ上回ると私は思っています。
これだけはぜひ聴いていただきたいと思います。
 このCDについての音楽評論家、堀内修氏の評論の一部をご紹
介します。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 ≪1989年≫
  会場が熱狂する中で、その熱狂を巻き起こした張本人である
 シュトラウスは、自己を保っていたのかもしれない。私たちは
 ヨハン・シュトラウスU世の演奏を聴けない。だがカルロス・
 クライバーの演奏が聴ける。
 ≪1992年≫
  まばゆい「雷鳴と電光」は、クライバーのトレード・マーク
 だった。その最もすばらしい響きがここで聴ける。そして「美
 しき青きドナウ」だ。この曲がこんなに優美に、生き生きと演
 奏されることは、もう決してないだろう。   ――堀内 修
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 クライバーのスタジオ録音で一番新しいものはどれかについて
調べてみると、1982まで遡ることになってしまうのです。実
に20年以上も彼はスタジオ録音から遠ざかっていたことになる
のです。
 その20年以上前のスタジオ録音の作品とは次の曲です。
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 ワーグナー
 楽劇『トリスタンとイゾルデ』≪全曲≫
 グラモフォン[D]OOMG0440〜44(LP)
 グラモフォン[D]POCG3015〜3 (CD)
 カルロス・クライバー指揮/ドレスデン国立O
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 この演奏に関する音楽評論家の国土潤一氏の評論の一部をご紹
介しておきます。
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 正規の録音として登場した≪トリスタン≫は、バイロイト音楽
 祭のそれとは一味違っていた。何よりもバランス感覚の点で、
 ライブの熱狂とは一線を画していた。しかし、しなやかにして
 豊かなカンタービレと豊かな色彩感は、スタジオ録音というモ
 ニターできる現場ということもあってさらに際立っていた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
                 −− [クライバー/08]

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posted by ここから at 04:53| Comment(0) | TrackBack(0) | クライバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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