2007年09月07日

●糖尿病はけっして不治の病ではない

 糖尿病というと、不治の病であると誤解している人が多いものです。血糖値の測定で126ミリグラムを超えたとしても、合併症がなければ、食生活の改善や生活習慣の見直しで、それほど無理なく元に戻すことができます。
 けっして、糖尿病は不治の病ではないのです。それに糖尿病になると、甘いものを食べてはいけないとか、食べられないものが多くなるので、食べたいものが食べられないとか、いろいろ誤解している人が多いものです。
 テレビ東京の人気番組に「主治医の見つかる診療所」というのがあります。医療に関するさまざまな質問にスタジオに集合した現役医師がそれにわかりやすく答える番組です。
 この番組で糖尿病を取り上げたことがあります。3分程度の映像ですが、なかなか参考になります。次のURLをクリックすると、その映像の一部を見ることができます。会社でご覧になる方は音量に注意してください。映像を止めるときは、ディスプレイの下の左側にある[II]ボタンをクリックすれば止まります。これが話題のユーチューブです。
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       http://jp.youtube.com/watch?v=dYQER-HsIzc
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 高血糖が続く人を「耐糖能異常者」といいます。これらの人を対象に日本では葛谷英嗣博士が「日本糖尿病予防プログラム」として、適正体重の維持と運動習慣をつけるというだけの簡単な介入実験をしたところ、2年間の成績で糖尿病の移行率を3.5%に抑えることに成功したのです。普通であれば9.4%程度である移行率を大幅に下げることができたのです。
 米国でも耐糖能異常者に対する大規模な実験が行われています。耐糖能異常者3000人を3つのグループに分けて3年間追跡調査をしたのですが、そのグループの1つに「日常生活習慣改善グループ」を入れたところ、1年あたりの糖尿病発症率は、このグループが一番低かったのです。
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    メトホルモン投与グループ ・・・・・  7.8%
    偽薬プラセボ投与グループ ・・・・・ 11.0%
    日常生活習慣改善グループ ・・・・・  4.8%
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 このように、血糖値が126ミリグラムを超えたとしても、条件による違いはありますが、日常の生活習慣の変更だけで糖尿病を予防することができるのです。したがって、糖尿病は不治の病ではないのです。

●糖尿病で即入院となる症状とは

 しかし、生活習慣の改善だけではどうにもならない糖尿病もあります。それは、食後2時間の血糖値が200ミリグラム以上で糖尿病と診断された場合です。もし、300ミリグラム以上の血糖値になると、最近では即入院となり、直ちに薬物による血糖値コントロールが開始されるのです。それは合併症を防ぐためです。
 なぜ、即入院になるのかというと、血糖値300ミリグラムが測定されたということは、相当長い期間――少なくとも3年から4年間にわたって、高血糖症であったことを示しているからです。そのため、入院させて最初の一週間程度はインスリン療法によって血糖値を正常値まで下げ、そのうえでその後の治療法の決定を行うのです。
 高血糖症の自覚症状はほとんどありませんが、しつこい肩こりや歩いたあとのふくらはぎのだるさ、それに治りにくいミズムシなどが、糖尿病のサインになっていた可能性はあります。しかし、そういうサインに気が付くケースはほとんどないといってもよいと思います。
 3年から4年の間高血糖症であると、それが原因で膵臓のベータ細胞が疲弊してほとんど消失してしまっているケースが多いのです。したがって、血糖値が300ミリグラムになってしまうと、その時点で膵臓はほとんどポンコツ車なみのレベルになっていると考えられるのです。
 そういうわけで、200ミリグラム以上で糖尿病と診断されたときは、その時点で糖尿病とは一生の付き合いになることを覚悟すべきであると多くの医師はいっています。基本的に食事は何を食べてもいいのですが、極力油脂類を避けて、食べる量を減らすことに務める必要があります。
 ところで、糖尿病を治す薬はあるのでしょうか。
 いずれにせよ、高血圧症と同じで、薬は極力飲まない方がベターなのです。糖尿病という病気――とくに2型糖尿病は、膵臓が疲弊するか一部消失することが原因で起こるのですが、はっきり認識しておくべきことは、膵臓を働きを正常化させる薬はないということです。
 したがって、薬に頼ることなく、生活習慣を改善して弱った膵臓をいたわりながら、機能させていくのが一番よい方法なのです。糖尿病の薬については、次回に取り上げますが、薬を使うと、弱った膵臓にムチ打って働かせ、結局はその寿命を短くしてしまうことになるのです。自分が糖尿病であることを意識しておだやかにそれと付き合っていく心構えが必要です。以上


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